ミステリーをより楽しむために雑学知識をどうぞ。

そもそも、近代ミステリーはアメリカの詩人エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」(1841年)が源流である。(アメリカでは冷遇されたが、ヨーロッパでは真価が認められ、イギリスに伝播して近代ミステリーとしての形式を確立)ポーが天才探偵デュパンを登場させたことが始まりとなり、(しかし、Mystery,Detectiveといった単語はまだ出てきていない)その後、推理小説の多くに魅力的な探偵または警部の登場によって事件の意外な真相と犯人の仕組んだトリックを解くというスタイルがとられるようになった。その後、イギリスのドイルによるシャーロック・ホームズものの大好評により、この形式はほとんど不動のものになった。


現在、なぞ解きの本格ものからハードボイルド、サスペンス小説、警察小説、スパイ小説など多彩な流れを包括する用語として推理小説とかミステリーという言葉が使われている。もともとはDetective Story、探偵小説とよばれていた。「探偵小説」という言葉があまり使われなくなったのは英米でも同様である。

探偵小説とは、犯罪捜査の推理過程に興味の中心を置く小説である。

戦前の日本では「探偵小説」という言葉が使われていた。この言葉は英語のDetective Storyの和訳であるのに英米と意味が大きく違っていた。英米では個性的な名探偵が不可解な謎を解く小説をさすのに対して、日本の探偵小説という言葉は本来のなぞ解き小説以外に、怪奇・幻想小説、科学小説、犯罪小説など広範囲なジャンルを含む用語として使われてきた。戦後、探偵小説という言葉は次第に現在の推理小説やミステリーに変わっていった。

推理小説とは、1946年雄鳥社が「推理小説叢書」を発刊した時、監修者の木々高太郎が命名したもので、犯罪事件、特に殺人事件の犯人、犯罪の方法、動機などにまつわる謎を論理的に推理、解明することに興味の重点がある小説。謎の定義、論理によるなぞ解き→意外な解決を基本としている。

また、推理小説と犯罪小説を区別して、あらかじめ計画された巧妙な犯罪を読者に提示し、読者とその犯行方法、犯人などの事件の解決を競い合う読者参加の小説をいい、江戸川乱歩は犯罪に関する難解な秘密の解かれていく経路の面白さこそ小説の主眼で、数式やパズルと通じるものがあるとしている。